- 1 バラの咲き方
- 2 ・ラ・フランス
- 3 ・ピース
- 4 ・シカゴ・ピース
- 5 ・夕霧
- 6 ・レディ・ヒリンドン
- 7 ・ブルー・ムーン
- 8 ・ブルー・リバー
- 9 ・マダム・アントワーヌ・マリー
- 10 ・アンナ・オリビエ
- 11 ・ガブリエル
- 12 ・羽衣
- 13 ・レーヴ・ドール
- 14 ・ゼフィリーヌ・ドルーアン
- 15 ・フラウ・カール・ドルシュキ
- 16 ・ル・ベジューブ
- 17 ・パークス・イエロー・ティーセンティド・チャイナ
- 18 ・ミセス・フォーリー・ホップス
- 19 ・ペルル・デ・ジャルダン
- 20 ・ザ・ブライド
- 21 ・ヴィクトル・ユゴー
- 22 ・ベルサイユのばら
- 23 ・クリスチャン・ディオール
- 24 ・パパ・メイアン
- 25 ・ロイヤル・ハイネス
- 26 ・プリンセス・ドゥ・モナコ
- 27 ・マリア・カラス
- 28 ・ティノ・ロッシ
- 29 ・ピンク・パンサー
- 30 ・ザ・マッカートニー・ローズ
- 31 ・レッド・インテューション
- 32 ・マミー・ブルー
- 33 ・アベイ・ドゥ・ヴァルサント
- 34 ・アンナプルナ
- 35 ・ヴィオレ・パルフュメ
- 36 ・コンスタンツェ・モーツァルト
- 37 ・ラヴィーニア
- 38 ・シンパティー
- 39 ・つるクリムゾン・グローリー
- 40 ・ヘルツ・アス
- 41 ・シャルル・ドゥ・ゴール
- 42 ・ヘレン・トラウベル
バラの咲き方
外側の花弁の先が尖っており、反り返ります。花の中心を高く包み込むように咲きます。シャープな印象で、モダン・ローズに多く見られます。
剣弁咲きより尖った部分がやや丸みを帯びた花弁のものを半剣弁咲きと呼びます。剣弁咲きよりやさしい印象を受けます。
・ラ・フランス
ピンクの花弁の裏は濃く、ダマスク系のすばらしい香りがあります。花弁の枚数が多く、花つきがよく、花壇での栽培に向いています。ハイブリッド・ティー系第一号の栽培品種といわれており、このバラの誕生をもって園芸バラはモダン・ローズとオールド・ローズとに分けられることになりました。日本では「天地開」という和名もあるそうです。
・ピース
クリームイエローにピンクの覆輪が入る大輪花です。第二次世界大戦が終結した直後に、フランシス・メイアンによって作出されました。戦争が終わり、人々の平和への願いを込めて、平和を意味する「ピース」と名づけられました。バラ改良において、園芸バラの育種に多くの影響を与えました。ピースを交配の際の片親に生み出された栽培品種や、枝変わりの栽培品種も多く存在します。20世紀を代表する名花です。
・シカゴ・ピース
ローズピンクの花弁の中心は薄い黄色をした、名花「ピース」の枝変わり品種です。ピース譲りの花つきのよさと強い樹勢が特徴です。
・夕霧
白地の花弁にピンクの覆輪が入ります。花名のように淡く霧が溶け込む姿は「夕霧」を連想させます。花首はまっすぐと上に伸び、花も上を向いて開花します。日本で1987年に作出されたハイブリッド・ティーです。
・レディ・ヒリンドン
淡い黄色の花はうつむきがちに咲きます。横張り性の細い枝で、枝や新葉は赤みを帯びています。花の直径は10㎝ほどの大輪の花は上質なティーの香りがあり人気の品種です。イギリスのロウ&ショーヤー氏が、ロンドン西部の貴族のヒリンドン男爵夫人に献名したバラだそうです。日本では「金華山」と呼ばれていました。
・ブルー・ムーン
品を感じる薄いラベンダー色で、花つき、花もちともに良好です。樹勢も強く育てやすく、肥料を十分に与え花がらを切り行うことで、次の花を楽しめます。ブルーローズ系の豊かな香りがあります。ブルー香とは、ダマスク香にティーの香りが混ざる甘く爽やかな香りといわれていますが、その代表的なバラともいわれています。
・ブルー・リバー
花弁はラベンダー色から徐々に濃い紫色に変化します。まれに黄色のシベを見ることもできます。ブルー・ムーンを片親に持っており、ブルー香を引き継ぎました。ハイブリッド・ティー系の中では樹高約1.2m前後と扱いやすい高さです。
・マダム・アントワーヌ・マリー
アイボリーの花弁の縁に濃いピンクが入る姿は可憐です。花色は季節で変化し、冬の始め頃まで咲き続けます。細く伸びた枝は分枝し、うつむくように花を咲かせます。鉢植えでの栽培の他に花壇での栽培にも使いやすい品種です。
・アンナ・オリビエ
淡いアプリコット色のやさしい花色で、うつむきかげんに開花します。秋に咲く花は色が濃いのと薄いのとが鮮明になり一層美しくなります。すらりとした枝はトゲが少なく、株のまとまりもよいので鉢栽培に向いています。明治時代に日本に輸入された時は、朝廷や天皇の身の回りのお世話を専門にする女性を意味する「采女(うねめ)」という名前がつけられました。
・ガブリエル
白い花弁の中心部にはうっすらと淡い紫が入ることもあり、すっきりとした気品を感じます。剪定は軽めに行い、水やりや肥料を適切に行うことで樹勢を保てます。鉢植えでの栽培に向いており、甘く爽やかな香りがします。ガブリエルは、ユダヤ教とキリスト教の旧約聖書「ダニエル書」に天使として登場しています。
・羽衣
淡いピンクの大輪剣弁高芯咲きの花は四季咲き性もあり、秋にも花を咲かせます。とても丈夫で、少しの日陰でも育ちます。上を向いて伸びていくので、フェンスや壁面へ誘引しての栽培に向いています。花瓶にさしての観賞や、アレンジメントにも活用できます。
・レーヴ・ドール
ベージュ色に淡いアプリコットがかる花弁は、花の直径10㎝ほどの大輪です。枝数は少なめですが、5mほどまで良く伸びるので、アーチやフェンスなどの高いフェンスでの栽培に向いています。このバラを作ったジョゼフ・ペルネ=デュシェは、最初のハイブリッドローズ「ソレイユ・ドール」、黄金の太陽という名前のバラを作出しました。レーヴ・ドールはフランス語で「黄金の夢」という意味だそうです。
・ゼフィリーヌ・ドルーアン
ローズピンクの花弁は素晴らしい香りがします。花つきがよく、トゲがなく、日陰でも比較的よく育ちますが、病気には注意が必要です。
・フラウ・カール・ドルシュキ
純白のつるバラとして日本でも古くから愛されてきた栽培品種ですが、今でも人気の品種です。長く愛されてきました。雨で傷みにくく、株は充実します。交配親のマダム・カロリーヌ・テストゥはハイブリッド・ティー系の代表的な品種ですが、フラウ・カール・ドルシュキは四季咲き性が強くないことからハイブリッドパーペチュアル系に分類されています。横から見ると三角形の花弁から、富士山を連想させることから日本で「不二」の別名がつけられたそうです。
・ル・ベジューブ
ピンクの花弁の枚数は多く、花の直径は9㎝ほどとチャイナローズにしては大きく堂々としている印象です。開花後は外側の花弁から徐々に赤みが増してきます。トゲが鋭く、耐寒性に優れた強健種です。後から花弁の赤色が濃くなるのは、中国南西部に自生するチャイナローズの原種であるロサ・キネンシス・スピンターネアの性質です。
・パークス・イエロー・ティーセンティド・チャイナ
クリーム色のこのバラはヨーロッパに導入された4種のチャイナローズの中で唯一、一季咲きのつる性だそうです。この品種が黄色バラや剣弁高芯咲きの親となり現代バラにもたらされたといわれています。ティーセンティド「花がお茶の香りがする」という意味の名前がつけられました。
・ミセス・フォーリー・ホップス
半剣弁高芯咲きでアイボリーホワイトの花弁は、中心が淡くピンクがかります。ティーローズ特有のうつむきかげんに咲く姿は上品さを感じます。樹高70㎝ほどで枝は低く横張りになります。花壇での栽培に向いています。
・ペルル・デ・ジャルダン
クリームイエローの剣弁高芯咲きの花は、クォーターロゼット咲きに変化します。花弁の枚数が多いので、開ききらないこともあります。トゲが少なく、半横張り性で、花壇や鉢植えでの栽培に向いています。
・ザ・ブライド
白色の花弁の中心はややクリーム黄色で、重なりあう花弁が麗し気です。「花嫁」を意味する花名からはオフホワイトのウェディングドレスを想像します。
・ヴィクトル・ユゴー
濃い鮮やかな赤色で、花の直径15㎝ほどの大輪花です。花つきがよい品種ですが、トゲが多く、手入れは注意します。花名は19世紀のフランスの詩人で、小説家で、政治家の名前からつけられました。
・ベルサイユのばら
艶のある真っ赤な大輪花で存在感があります。花の直径14㎝ほどになります。花つき、花もちがよく、耐病性にもすぐれています。花名は大人気少女漫画の名前にちなんでいます。他にも「ベルサイユのばら」の登場人物の名前が花名となっているものもありますので、興味のある方は探してみてくださいね。
・クリスチャン・ディオール
赤色の花弁が美しく、剣弁高芯咲きの整った1輪咲きの大輪花で花もちがよい品種です。花の直径10~15㎝ほどになります。強健種ですが、多湿時のうどんこ病に注意が必要です。
花名は1950年代に活躍したフランスのファッションデザイナーにちなみます。
・パパ・メイアン
黒バラの名花といわれ、ベルベッドレッドの花弁に美しさを感じます。花もちがよく、濃厚なダマスクの香りが特徴です。1963年にフランスのアラン・メイアンが作出し、祖父の アントワーヌ・メイアンの愛称が花名となっています。うどんこ病、黒星病に注意が必要で、定期的な薬剤散布が不可欠です。
・ロイヤル・ハイネス
優美な淡いピンクで典型的な剣弁高芯咲きの花形をしています。ハイブリッド・ティー系の中でも至高の品種といわれている名花です。四季咲き性で花壇での栽培に向いています。
・プリンセス・ドゥ・モナコ
白にピンクの覆輪が入り、整った花形に目を引きつけられます。花つき、花もちがよく、四季咲きでしっかりしたハイブリッド・ティー系の栽培品種です。1982年にマリー=ルイーズ・メイアンが作出しました。モナコ公国王妃のグレース・ケリーに捧げられました。
・マリア・カラス
濃いローズピンクのボリュームのある大輪花は花もちがよく、耐暑、耐寒性にすぐれ、育てやすい品種です。花名は伝説的なオペラ界のプリマドンナ、マリア・カラスからつけられました。
・ティノ・ロッシ
淡いピンクの大輪花は、中心が濃いピンクになります。耐病性にすぐれ、花壇や鉢植えでの栽培に向いています。花名はフランスのシャンソン歌手の名前にちなみます。
・ピンク・パンサー
サーモンピンクの半剣弁高芯咲き大輪花です。花の直径12~13㎝ほどになります。花つき、花もちがよく、病気に強く育てやすい品種です。初めてこのバラを目にした時は花名と花色からピンクの豹のキャラクターをイメージしました。
・ザ・マッカートニー・ローズ
濃いピンクの大輪花は、1輪または、房咲きになります。花つきがよく、耐病性にすぐれます。有名なロックバンドで元ビートルズの「ポール・マッカートニー」の名を冠にしたバラです。
・レッド・インテューション
濃い真っ赤の花弁に、濃いピンクの絞りが入り鮮やかな印象です。花もちがよく、施肥と定期的な薬剤散布によって生育します。花壇や鉢植えでの栽培に向いています。
・マミー・ブルー
ラベンダー色の花弁の枚数は多く、整った花形で美しさを感じます。多肥や雨で花が開ききらないこともありますので、栽培には注意します。MamyBlueとは「おばあちゃんの青い服」という意味だそうです。
・アベイ・ドゥ・ヴァルサント
淡い灰色がかった紫ピンクの花弁は、時々ダブルセンターになる個性的な形をしています。鉢植えや庭での栽培でも育ちやすい品種です。四季咲き性で繰り返し咲きます。
・アンナプルナ
純白の花弁と花形は上品さを感じます。高芯咲きからロゼット咲きになる四季咲き性で、繰り返し咲きます。花名は、ネパールのヒマラヤの中央に連なっているヒマラヤ山脈に属する名山からつけられました。
・ヴィオレ・パルフュメ
赤紫色の花弁はフリルがかり美しさと可愛らしさを兼ね備えています。花色は濃い色と薄色へ変化します。フランス語で「ヴィオレ」は紫、「パルフュメ」はよい香りのする、という意味だそうです。
・コンスタンツェ・モーツァルト
灰色がかった淡いピンクの花弁をしており、5輪ほどの房咲きになります。トゲが少なく、丈夫で育てやすい品種です。オーストラリアの作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの妻の名前がついています。
・ラヴィーニア
コーラルピンクの美しい花がややうつむいて咲きます。四季咲き性で、秋の終わりごろまでよく開花します。切り詰めて栽培するか、フェンスやスクリーンに仕立てて栽培します。
・シンパティー
深い赤色の花は、花つきがよく、弁質もよい。強い日差しで花弁がやけることがあるが、退色は少ない。枝はトゲが少なめで誘引しやすく、耐病性にすぐれ、育てやすい。
・つるクリムゾン・グローリー
ビロードのような深紅の大輪花は、ときに房咲きになり、ダマスクの素晴らしい香りがある。返り咲きは多いほうで、樹形はやや横張り性。うどんこ病に弱いので多湿を避ける。
・ヘルツ・アス
鮮やかな濃く真っ赤な花色は退色がなく、雨でもほとんど傷まず、花もちもよい品種です。トゲが少なめの整った剣弁高芯咲きです。花壇や鉢植えでの栽培に向いています。花名はドイツ語で「ハートのエース」を意味します。
・シャルル・ドゥ・ゴール
濃いラベンダー色の花形は整っており、美しさを感じる半剣弁高芯咲きです。濃厚な香りも魅力的で、トゲが少なく、花つきがよい品種です。フランスの第18代大統領と同じ名前をもった花です。
・ヘレン・トラウベル
やわらかいやさし気なサーモンピンクの花弁は、秋にはオレンジ色がかることもあります。 ティー系の香りがあり、花つきがよく、株いっぱいに咲かせます。花名はアメリカのオペラ歌手「ヘレン・トローベル」にちなんでいます。