バラと似た花言葉
「愛」「美」を花言葉にもつバラですが、バラの他にも似たような花言葉をもった花があります。贈る相手のイメージに合わせて花を選ぶのもよいですね。
カーネーション
花言葉:無垢で深い愛、愛を信じる
赤:母への愛
ピンク:女性の愛、熱愛、大胆
白:純粋な愛、今でも愛しています、生きた愛情
黄:軽蔑
紀元前30世紀から紀元前2世紀ごろの古代ギリシャ時代から存在し、人々に愛されてきたといわれるカーネーションは、16世紀に入りイギリスで栽培・改良が始まりました。カーネーションと言えば日本では母の日に贈る赤色をイメージしますが、今ではさまざまな色のカーネーションが存在します。また、現在あるカーネーションは基本種である一重咲きのダイアンサス・カリオフィルスに何個かの種類が交雑されたものがほとんどです。「スタンダードタイプ」と呼ばれる、1本の茎に大きな花を咲かせるタイプと、「スプレータイプ」と呼ばれる、枝分かれした何本かの茎に3~10個の花を咲かせるタイプがあります。春の花ですが、温室栽培された切り花は1年を通して楽しむことができます。
毎年5月の第2日曜日を「母に捧げる日」つまり「母の日」としたのは、1914年のアメリカ大統領のウィルソンでした。花言葉からも伝わりますが、白いカーネーションは亡き母に贈る花とされています。
カスミソウ(霞草)
花言葉:無垢の愛、幸福、清らかな心
ふわふわとした白い花は、花束やアレンジメントの時に素敵な役割を担ってくれる花の一つです。バラやカーネーションなどの、インパクトが強い花と組み合わせても引き立ててくれ、カスミソウのふわふわとした見た目から柔らかい印象にもなります。
花言葉はカスミソウのピュアで可憐な姿から生まれたものだそうです。主役を引き立てる役割として使用されることが多いですが、ウェディングではグリーンを取り入れながらまとめて花束にして飾ることもあります。お部屋に飾るときも雰囲気を壊すことなく素敵な花飾りとなります。少量の水をコップなどに入れて活けたままにしておくと、ドライフラワーにすることができますのでより長くカスミソウを楽しむことができます。
カラー(オランダカイウ)
花言葉:華麗なる美、乙女のしとやかさ
純白のウェディングドレスを想像するカラーの名前は古い属名で、ギリシャ語で「美しい」という意味のcallaに由来するといわれています。白くすっきりした花姿や花言葉から、結婚式を飾る花やウェディングブーケとしても人気があります。大きな花びらに見えるものは実は、仏炎苞(ぶつえんほう)というガクの一種で、黄色い棒状の花を保護する役割をもっています。
キキョウ(桔梗)
花言葉:愛着、深い愛情、変わらぬ愛
万葉集などでも登場し、和の気品を感じさせ日本でも古くから秋を代表し愛される花です。秋の七草のひとつとしても数えられています。しかし実は、万葉集で詠まれている秋の七草にキキョウの名前はなく、「アサガオ」が変わりに入っています。万葉集ではアサガオはキキョウのことだといわれています。
つぼみが膨らんだ風船のように見えることから、英語でバルーンフラワーと呼ばれています。学名のPlatycodonはギリシャ語で「広い鐘」という意味です。
キク(菊)
花言葉:逆境にいても快活、高潔
赤:愛しています
白:真実
皇室の紋章やパスポート、50円硬貨にキクが使われているので日頃私たちも目にすることが多いため、春のサクラと並んで日本を代表する花のひとつと思う方も多いと思います。
日本へは奈良時代に中国から渡ってきたといわれています。その後日本で品種改良が進み、観賞用の栽培が始まり、江戸時代には大菊が出来上がったとされています。花の大きさで「大菊」「中菊」「小菊」「洋菊」に分けられています。
葬式では霊前に供える花として用いられることが多いですが、死出を飾るには「高潔」の花言葉がふさわしいですよね。
コチョウラン(胡蝶蘭)
花言葉:純粋な愛、あなたを愛します、幸福が飛んでくる
その花姿はまるで、蝶が舞っているように見えます。花名の胡蝶は、蝶そのものの意味を表しており、学名のPhalaenopsis(ファレノプシス)は、ギリシャ語で、Phalaina(蛾)とopsis(似る)という意味に由来しているそうです。欧米では「蝶のラン」と呼ばれています。華やかで明るい雰囲気のコチョウランは花言葉の意味からもウェディングでも人気の花です。また、新築や開業のお祝いにも適しています。
サザンカ(山茶花)
赤:あなたがもっとも美しい、謙譲
白:愛嬌
ピンク:永遠の愛
日本では江戸時代から観賞用として親しまれていました。江戸時代に長崎の出島からやってきた医師によりヨーロッパへ伝わり、和名である山茶花(サザンカ)がそのまま学名となりました。古い時代には正確にツバキと区別されてなかったようです。ツバキは晩冬~春に咲きますが、サザンカは晩秋~初冬に咲く花で開花の時期が違います。また、ツバキは花ごと落ちることで有名ですが、サザンカは1枚ずつ花びらが散ります。
スイセンノウ
花言葉:私の愛は不変
6月~8月頃に咲くスイセンノウは次々に花をつけ、長い間楽しむことができることから、「私の愛は変わらない」という花言葉があるようです。属名は灯火という意味のギリシャ語lychnosに由来しており、スイセンノウの葉をランプの灯火として使用していたことにちなむといわれているそうです。
センニチコウ(千日紅)
花言葉:不朽、色あせぬ愛、変わらない愛情
百日咲き続け、花もちがよいというサルスベリ(百日紅)よりも、さらに長く咲き、花の色を失わないといわれたのでこの名前がついたそうです。花言葉も、乾燥に強く、ドライフラワーにしても美しい状態を保つことから生まれたといわれています。
チューリップ
花言葉:思いやり
赤:愛の告白
黄:名声
白:失われた愛、失恋
紫:不滅の愛、永遠の愛
花言葉の由来は、オランダに伝わる物語からだといわれています。3人の騎士に同時に愛を告げられた少女は困った結果、花の女神フローラに自身の姿をチューリップに変えてもらったといわれています。花言葉の「思いやり」「愛の告白」「失われた愛」は3人の騎士の気持ちとチューリップに姿を変えた少女の心の表れからきているそうです。
チューリップといえばオランダをイメージするほどオランダでの栽培が有名ですが、実はトルコが発祥で、トルコからヨーロッパに渡ってきたことでオランダでは当時チューリップは売買取引の対象になったそうです。
愛を表す花言葉が多いので恋人に贈る花としても人気ですが、花色を間違えないようにしたいですね。
マーガレット
花言葉:信頼、真実の愛、恋占い
マーガレットという花の名前は、ギリシャ語で「真珠」という意味をもっています。また、英国圏での女性名でもあります。恋占いという花言葉のように、「好き、嫌い、好き・・・」と花びらを1枚ずつちぎって自分の想い人の気持を占う花としても知られていますよね。
また、古代ギリシャでは月の女神とされ、女性の守護神のアルテミスに捧げる花だったことから、女性が求める幸せにちなんで「真実の愛」という花言葉もあるようです。
ワスレナグサ(勿忘草)
花言葉:真実の愛、私を忘れないで
3月~5月にかけて開花する薄青色の可愛らしい花です。花言葉の由来は、ドイツのドナウ川の伝説によるものといわれています。ある日ドナウ川の岸辺を騎士とその婚約者が歩いていると、向いの岸辺にワスレナグサが咲いていました。騎士は婚約者のために川に入り花を手にして戻ろうとしましたが深みに足をとられ流されてしまいます。必死に泳ぎますが、 流れが強く岸に上がれません。手にしたワスレナグサを岸に投げ、「私を忘れないで」と叫び川の流れに吸い込まれていきました。亡き人の思い出に一生ワスレナグサを身につけたそうです。
ストック
花言葉:永遠の美しさ、求愛
春の花のストックは、花もちが極めて良いことから「永遠の美しさ」という花言葉がありあます。香りがよく、茎に沿って花つきがとても美しいので、切り花としても人気の花です。「求愛」という意味もあるので贈る相手は慎重に選んでくださいね。
コスモス(秋桜)
花言葉:乙女の真心、乙女の恋、純心、謙虚、調和
赤:愛情
ピンク:純潔
白:優美
日本人にも馴染みの深いコスモスは、「秋桜」の漢字のように、秋の花の代表ともいえます。コスモスという花名はギリシャ語で「調和、秩序、美しさ」という意味の言葉が語源といわれています。乱れることなく収まっている花姿や、集まって咲く様子の美しさに由来するそうです。
ナデシコ(撫子)
花言葉:純粋な愛、無邪気
和名の撫子は「撫でたくなるほどかわいらしい」ことからついたといわれています。
グリム童話に「なでしこ」というお話があります。人間を他のものに変えることができる力を持った王子がいました。王子の力を悪人が利用しようと殺されかけますが、少女が王子を救ってくれました。その少女をナデシコの花に変え、城に持ち帰り人間に戻し、二人は結婚したという物語があります。花言葉はこの物語がもとになっているそうです。
アスター(エゾギク)
花言葉:思い出、追憶
ピンク:甘い夢
白:私を信じて
青:信頼
紫:私の愛はあなたの愛よりも深い
別名「エゾギク」のアスターは夏の定番花のひとつです。豊富な花色ごとに素敵な花言葉がつけられています。花名のアスターは、ギリシャ語の「星」が言語といわれ、放射状にまとまった花の姿きているといわれています。花占いといえばマーガレットをイメージしますが、アスターで占うこともあったそうです。
ユキノシタ(鴨足草)
花言葉:愛情
日本原産の花で、山地の岩場や湿った場所に自生し、春に5~6月頃になると多数の白い花を咲かせます。リボンにも見える花姿を鴨の足に見立てて「鴨足草」の字が当てられています。葉を乾燥させたものは漢方として用いられています。
ユキヤナギ(雪柳)
花言葉:愛情、自立
柳のように長く細長い枝いっぱいに枝垂れる花の様子は、雪が降り積もったようであることから「雪柳」とつけられています。古くは、原産地の日本や中国では水辺の岩場に自生するため、「岩柳」と呼ばれていたそうです。子どもに厳しい環境でも育つように「自生」を願う親の「愛情」から花言葉がきているのではないかといわれています。
ゼラニウム
花言葉:愛情、尊敬、信頼
南アフリカが原産で丈夫なゼラニウムは、真夏と真冬を除きほぼ1年中花をつけ楽しむことができます。香りのよいものはセンテッドゼラニウムと呼ばれており、香料の原料としても使われています。ヨーロッパでは窓辺に置き、虫よけとしても利用されているそうです。
「愛情」「尊敬」「信頼」の花言葉を持ちますので、大切な人への贈り物にも良いですね。
ヒマワリ(向日葵)
花言葉:あなただけを見つめる
メキシコが原産地の夏の花であるヒマワリは、生長期の花が太陽の動きに合わせて向きを変えることから名付けられました。花言葉もこの動きからきたものだそうです。
一面に広がるヒマワリ畑は夏の風物詩ともいえ、その時期にしか見られない花姿が人気です。
花を長持ちさせるために
花をいただいた時や育てた花を切り花にした時は、少しでも長く綺麗に花を楽しみたいですよね。
【ポイント】
①花を生ける前に水上げをする
・水切り(水中で茎を切る方法)
バケツなどに水を張り、水中で切れ味のよい花ばさみを使って茎をスパッと斜めに切ります。茎から水を吸い上げるために行いますので流水ではなく必ず水中で行います。
・深水(花が水につかないように紙などで包み、茎を水につけておくこと)
水切りだけでは足りないと感じた場合は、茎の根本を残して花が水につかないように新聞紙などで包み、1時間程度水につけておきます。茎の細い花や葉の細かい花には深水は向かないので注意が必要です。
②飾る置き場所にも気を付ける
直射日光の当たる場所や乾燥のしすぎる場所に置くと、花が傷みやすい原因となります。エアコンや暖房の風が直接当たらないなど涼しい場所を選ぶなど花にとってよい環境に置くことが大切です。
③毎日の水換え
花瓶の中の水は微生物が発生するので、水換えは毎日行います。花瓶から取り出した花の茎のぬめりを洗い取り、水切りで1~2㎝切り戻します。花瓶のぬめりもきれいに洗います。