- 1 バラの咲き方
- 1.0.1 ・フィリス・バイド
- 1.0.2 ・クレパスキュール
- 1.0.3 ・玫瑰(マイカイ)
- 1.0.4 ・ロサ・キネンシス・ヴィリディフローラ
- 1.0.5 ・ ブラッシュ・ノアゼット
- 1.0.6 ・ナロー・ウォーター
- 1.0.7 ・フォーチュンズ・ダブル・イエロー
- 1.0.8 ・ロサ・ガリカ・オフィキナリス
- 1.0.9 ・ロサ・ガリカ・コンディトルム
- 1.0.10 ・アルバ・セミプレナ
- 1.0.11 ・ヘーベス・リップ
- 1.0.12 ・キャトル・セゾン
- 1.0.13 ・ローズ・ドゥ・メ
- 1.0.14 ・カピーヌ・ジョン・イングラム
- 1.0.15 ・ムスリーヌ
- 1.0.16 ・ブラッシュ・ブールソール
- 1.0.17 ・アマデス
- 1.0.18 ・キャスリーン・ハロップ
- 1.0.19 ・クロンプリンツェシン・ヴィクトリア
- 1.0.20 ・スヴニール・ドゥ・セント・アイズ
- 1.0.21 ・アルフレッド・コロンブ
- 1.0.22 ・ヘンリー・ネヴァード
- 1.0.23 ・プリンセス・ドゥ・ナッソー
- 1.0.24 ・ロサ・キネンシス・ミニマ
- 1.0.25 ・ロサ・キネンシス・センパーフローレンス
- 1.0.26 ・ヌル・マハル
- 1.0.27 ・ペネロペ
- 1.0.28 ・ウィルヘルム
- 1.0.29 ・ロビン・フッド
- 1.0.30 ・アイスバーグ
- 1.0.31 ・ザ・レディ・オブ・ザ・レイク
- 1.0.32 ・ザ・レディーズ・ブラッシュ
- 1.0.33 ・バターカップ
- 1.0.34 ・ラ・セヴィリアーナ
- 1.0.35 ・アルバ・メイディランド
- 1.1 ・ドミニク・ロワゾー
バラの咲き方
セミダブル咲き(半八重咲き、 八重咲き)
花弁の数はシングル咲きを倍にしたような枚数で、6~25枚ほどの花です。花弁が開ききるまで中心部分が見えることはなく、可愛らしい印象を持つことが多い咲き方をします。
・フィリス・バイド
オレンジ色の小さな蕾が開いてから花色は変化していきます。時間が経つと、ひらひらとした花弁は後ろに反り返ります。大株が満開になるとクリームピンク、サーモンピンク、黄色の混じり合う色が美しいです。細くしなやかな枝は誘引しやすく、整えながら必要な枝を残すことにより、株が花で覆われます。丈夫で花もちがよく、秋まで返り咲きます。一重咲きの「カクテル」の片親となっています。
・クレパスキュール
花弁の色は濃淡のあるオレンジですが、高温期には黄色が強くなります。横に広がりやすいので、低いフェンスやアーチなどに誘引するのに向いています。広い場所なら自然樹形でも栽培できます。花つきがよく、耐暑性が強く、病気にも強いので育てやすい品種です。ただし多肥によるうどんこ病には注意が必要です。フランス語で「黄昏」を意味します。夕焼けの名残の色を感じる花名です。
・玫瑰(マイカイ)
濃い赤紫色の花弁で、豊かな香りが特徴です。一季咲きですが5月初旬~6月まで咲きます。美しい花弁は軽やかで乾燥しやすく保存が効くので、お菓子作りやお茶としても使われます。中国では、玫瑰は古くから薬や飲食用として使用されてきました。玫瑰色と言えば中国ではバラ色を意味し、赤紫色を指し、美しい女性の例えとされています。また、中国ではバラを意味する言葉は4つあり、四季咲きのバラは「月季」、一季咲きのつるバラや野生バラは「薔薇」、詩などに使われる文学的な表現は「長春」、バラの総称する言葉として「玫瑰」が使われます。
・ロサ・キネンシス・ヴィリディフローラ
別名「グリーンローズ」と呼ばれています。華やかさが売りと言ってもいいバラにとっては、名前のとおり緑色の珍しい品種です。四季咲き性で、花もちがとてもよく、秋には赤みを帯びます。ほんのりとよい香りがします。
・ ブラッシュ・ノアゼット
淡いピンクが可愛らしい半八重咲きの小輪花は、10~20輪の大房になります。花つきがよく、返り咲き性ですが、四季咲き性のようによく咲きます。花壇やアーチ、フェンスなど様々な栽培に適しています。アメリカに住んでいたフランス人園芸家のフィリップ・ノワゼットが、チャンプニーズ・ピンク・クラスターをパリに住む兄のルイ・ノワゼットに送り、ル・ロジエ・ドゥ・フィリップ・ノワゼットとして発表しました。これが後からブラッシュ・ノアゼットと呼ばれるようになりました。
・ナロー・ウォーター
淡いピンク色をしており、ブラッシュ・ノワゼットよりやや多きい中輪花が大房咲きになります。返り咲き性にすぐれており、秋にはピンクが濃くなり色鮮やかになります。耐寒性が強く、枝は誘引しやすく、生育が早い品種です。北アイルランドのナロー・ウォーター城で発見されました。
・フォーチュンズ・ダブル・イエロー
赤みのある茶色を含む明るい黄色に弁端がピンクがかる花弁をしています。半八重咲きで、花を枝いっぱいに咲かせますが、トゲがあるため、誘引は気力が必要です。
・ロサ・ガリカ・オフィキナリス
古代の「ガリカローズ」に最も近い品種といわれています。ローズピンクの美しく香りのよいバラとして長い年月を人類と一緒に過ごしてきました。株が若いうちは多肥によるうどんこ病に注意が必要です。イギリスの王位継承権争いのバラ戦争ではランカスター家の紋章として使われていました。
・ロサ・ガリカ・コンディトルム
濃いローズピンクは、赤バラの祖先のガリカローズの特徴に近いといわれています。ガリカ系の特徴といえるざらざらした葉をしています。細かい トゲがあり、枝は「ロサ・オフィキナリス」より太く直立ぎみの樹形です。
・アルバ・セミプレナ
古代の「ロサ・アルバ」に最も近いといわれる品種です。さわやかな香りがあり、樹勢が旺盛で耐寒性、耐病性にすぐれていいます。ボッティチェリの「ヴィーナス誕生」にはアルバ系のバラが描かれています。バラ戦争でヨーク家が紋章としていた白バラは「セミプレナ」という品種だといわれています。
・ヘーベス・リップ
ダマスク系の白バラで、カップ咲きから半八重咲きに咲き進んで房になります。トゲが多く、枝はつる状に伸びます。オールドローズには珍しいシンプルな姿をしています。「青春の女神の盃」という意味をもった花名です。
・キャトル・セゾン
別名「オータム・ダマスク」と呼ばれており、ピンクの花弁と豊かなダマスクの香りが楽しめます。アーチやフェンスでの栽培に向いています。返り咲く花数は多くないですが、返り咲きの品種がなかった西洋バラの中で繰り返し咲くダマスクローズとして古代から栽培されていたようです。
・ローズ・ドゥ・メ
キャトル・セゾンよりもやや大きく育ちます。トゲが少なく、旺盛に生育します。半直立性の樹形で、日本では樹高3mほどになります。フランスでは香料用として栽培されている品種です。
・カピーヌ・ジョン・イングラム
紫がかった濃いピンクの花弁と黄色い雄しべの対比が美しいモスローズです。花つきがよく、中輪花が2~3輪の房咲きになります。モス系の花にふさわしく赤みのあるモス(苔)が枝を覆います。
・ムスリーヌ
淡いアプリコット色でやさしい花色をしています。花数は少ないですが、モス系では珍しく返り咲く性質をもっています。花壇での栽培に向いています。耐病性には注意が必要ですが、モスに覆われた蕾と細かいトゲにはアブラムシがつきにくいです。
・ブラッシュ・ブールソール
透き通るようなピンク花弁はフリルのようで可愛らしい印象を受けます。早咲きでトゲが少なく、扱いやすい品種です。
・アマデス
交配親であるコウシンバラの面影を残しており、紫色を帯びた赤色をしています。トゲがまったくないという特徴を持っています。中輪花のつるバラで、花つきがよく、よく伸びます。
・キャスリーン・ハロップ
ソフトピンクの花弁で豊かな香りに癒されます。トゲがなく、枝いっぱいに花をつけます。よく伸びるので壁面やフェンスなどに向いています。半剣弁咲きの「ゼフィリーヌ・ドルーアン」の枝変わりの品種です。
・クロンプリンツェシン・ヴィクトリア
白色の花弁は中心にかけてクリームイエローの美しい花姿をしています。 花つきがよいですが、多湿に弱く、うどんこ病や灰色かび病には注意が必要です。ロゼット咲きの「スヴニール・ドゥ・マルメゾン」の枝変わりの品種です。
・スヴニール・ドゥ・セント・アイズ
淡いピンクのシンプルな花弁の枚数は少なく、房咲きで花つきがよく、繰り返し開花します。こちらも「スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾン」の枝変わりの品種です。
・アルフレッド・コロンブ
濃く赤色をした大輪花は、咲き進むにつれて青みを帯びてきます。返り咲き性にすぐれ、ボリュームのある花姿も美しいです。枝はやや硬めで壁面に適しています。
・ヘンリー・ネヴァード
明るい紫色を帯びた赤色の花弁は厚く、秋にもよく開花します。外側の花弁は反り返る大輪花です。半つる状になるので壁面への誘引が適しています。病気には注意が必要です。
・プリンセス・ドゥ・ナッソー
蕾はピンク色をしていますが、白い八重咲きの花を咲かせます。秋に咲く花は愛ポリーがかり違った美しさを感じられます。耐寒性が強く、冬の始め頃まで繰り返し咲き続けます。
・ロサ・キネンシス・ミニマ
ピンク色の花の直径2.5㎝ほどの小さな花弁で、高さ20㎝ほどの株に房なった花が次々と開花します。四季咲き性のコウシンバラの突然変異により生まれた品種といわれています。ミニチュアローズの生みの親で、黒星病、ハダニに注意が必要です。
・ロサ・キネンシス・センパーフローレンス
最も赤いチャイナローズといわれており、初めにヨーロッパに導入された代表的な4種のバラのひとつです。花壇での栽培の他に、まとまりがよく育つので鉢栽培にも向いています。
・ヌル・マハル
ローズピンクの花弁の外側は緩やかな波をうったように見えます。 花つきがよく、病気にも強く、耐暑性に優れ、トゲがないので扱いやすい品種です。秋の終わりごろまで繰り返し咲きます。
・ペネロペ
白地にクリームピンクのぼかしが入る美しい花がたくさん咲きます。よく返り咲き、強健ですが、病気には注意が必要です。ギリシャ神話にオデュッセウスの妻として登場しています。
・ウィルヘルム
はっきりとした赤色の花弁は咲き進むと少しばかり退色しますが、青みの おびた葉と影響し合い、美しさを感じます。花がらを残しておくと秋には実を楽しむことが出来ます。旺盛に伸長し、つる性の性質からフェンスや壁面に誘引しての栽培に向いています。
・ロビン・フッド
ローズレッドの小輪花で返り咲き性に優れています。花もちがよく、樹勢も強く、半つる状に伸びます。フェンスやアーチ、壁面での栽培に向いています。「アイスバーグ」などフロリバンダローズの交配親で、中世イングランドの伝説上の人物の名前が花名になっています。
・アイスバーグ
純白の花が大房で開花します。フロリバンダローズを代表する名花といわれています。トゲが少なく、春も秋も花つきがよく、うつむいて咲きます。花名のとおり、氷河が流れ落ち小山のように浮かんでいる氷山のように見えます。
・ザ・レディ・オブ・ザ・レイク
淡いピンクの半八重咲きの花を咲かせ、伸長3mから3.5mほどまで大きくなります。枝は長く細い柔軟なのでアーチやフェンス、花壇などでの栽培に向いています。レディオブザレイクは「湖の乙女」の意味ですが、アーサー王伝説に「湖の乙女」が登場しています。
・ザ・レディーズ・ブラッシュ
やわらかい印象のピンクのセミダブルの花の中心に見える黄色のしべがまた上品に見えます。花の直径7㎝ほどの丸みを帯びた株姿をしています。
・バターカップ
透明感ある黄色い花弁が風に揺れる姿が可愛らしいです。ふんわりとした 印象で優しい和やかな気持ちになります。
・ラ・セヴィリアーナ
四季咲き性の丸弁高芯咲きから半八重平咲きにかわる朱赤の花弁は目を引きます。丈夫で、病気に強く、強い日ざしにも耐える育てやすい品種です。修景用として扱われることが多いバラです。
・アルバ・メイディランド
白色の小輪花が10輪ほどの房咲きになります。枝は細く伸びるので、トレリスやアーチなどに誘引しての栽培に向いています。返り咲き性で、遅咲きですが、秋まで咲きます。
・ドミニク・ロワゾー
真っ白い花弁の中心には黄色いしべがよく映えます。小さくまとまった株で、病気に強く生育旺盛です。花つきがよく、春から秋まで楽しむことができます。
・ピュル・カプリス
咲き始めは淡い黄色に濃いピンクのグラデーションで、少しずつ薄い黄色からグリーンに変化します。次々と咲き、細い花弁がねじれるように開く姿は可憐です。ピュルは「純粋な」、カプリスは「気まぐれ」を意味しますが、気まぐれに色が変わる姿は花名のとおりですね。
・サマーモルゲン
ソフトピンクの花はこぼれるように咲きます。とても丈夫で、耐病性に優れ害虫がつきにくい品種です。春から秋の終わりまで咲き続けます。
・スパニッシュ・ビューティ
一季咲きのつるバラで、ピンクの花弁の縁が波打ちます。早咲きで、うつむきがちに咲きますので、高めの位置に誘引すると見応えがあります。甘い香りも楽しめます。
・クレール・マタン
返り咲き性にすぐれた淡いピンク色の花弁で房咲きになります。枝はがっちりとしており、耐病性もあります。クレール・マタンとは「明るい朝」という意味をもっています。
・つるサマー・スノー
フリルのような白い花弁が大変美しい品種です。花つきがとてもよく、トゲのない枝は誘引が自在にできます。ハダニに注意が必要です。
・春がすみ
「つるサマー・スノー」の枝変わりで、柔らかいピンクの花は花つきがよく、数輪からの大房咲きになります。トゲのない枝で、まれに秋に返り咲くこともあります。
・アッシュ・ウェンズデー
珍しいピンクグレーの花色をしています。花つき、花もちがよく、数輪の 房咲きです。キリスト教カトリック教会の「灰の水曜日」が花名となっています。
・ドクター・ヒューイ
強健種で深みのある黒赤色の花弁をしています。トゲ少なく、柔軟性のある枝で誘引しやすい品種です。黒星病には注意が必要です。
・ダンス・ドゥ・フゥー
深く鮮やかな赤色の中輪八重咲きで花つきがよく、耐寒性があり、株もとからの枝数が多く盛んに茂ります。「火の踊り」の名前のように、満開時は燃え立つ炎のようです。
・ジョセフス・コート
咲き始めは黄色ですがオレンジから赤へと花色が変化します。房咲きになり、返り咲きも多い品種です。耐暑性があり、壁面での栽培に向いています。
・スヴニール・ドゥ・アンネ・フランク
アプリコット色の花は、咲き進むと花弁の端がピンクがかります。四季咲き性で、強健ですが、うどんこ病には注意が必要です。花名には平和への祈りが込められています。
・オルレアン・ローズ
花つきがよく、濃いローズを含むピンクの花弁が房咲きになります。フロリバンダローズの交配親となった品種です。