バラの種類~シングル咲きのバラ~
目次

バラの咲き方

シングル咲き (一重咲き・平咲き)
花びらの数が5枚の花で、平咲き風になり、シベを見せて花を開きます。軽やかで可愛らしい印象を持ちます。野生種に多いですが、園芸品種でも好意を持たれて作出されています。

・ロサ・ガリカ

オールド・ローズでは世界で最も古いヨーロッパの野生バラで、赤いバラの先祖といわれています。ロサ・ガリカはラテン語で「フランスのバラ」を意味します。鮮やかなピンク色、厚みのある濃い緑色の葉、枝を覆う小さなトゲが特徴です。樹高は1mほどで、ブッシュ型の樹形が中心です。

・シャングリラ 

温かみのある明るいピンクの花弁は、軽やかに波打ち、やさし気な雰囲気を感じます。四季咲き性で耐病性も強く、開花後の剪定をしなければ、秋に丸いローズヒップがたくさん実り楽しめます。シャングリラとは「理想郷」、「桃源郷」を意味しますが、理想的で想像上のバラを思い描いて作出したのかなと作出者である木村卓功さんの気持ちを考えてみたりします。

・ロサ・ギガンティア 

大輪の白い花を咲かせる一季咲き性です。花弁の先が尖る剣弁咲きんの性質と紅茶のような香りがするティーローズの特性を現代バラに引き継いだ品種です。コウシンバラ節に分類される野生種でインド北東部、ミャンマー北部、中華人民共和国西部(雲南省)などに存在します。伸長力が盛んで、強健で温暖な気候を好みます。フルーティーな香りがします。

・ロサ・ルゴサ 

和名は「ハマナス」の名で日本では知られているバラです。北海道の海岸、南は鳥取県の主に砂地に分布しています。ロサ・ルゴサという学名をつけたのは、スウェーデンの植物学者ツュンベルク。濃いローズピンクの花色の他に白花や八重咲きのものもあります。秋にも返り咲き、スパイスのような香りがします。この薔薇を品種改良に用いたルゴサ系は、世界の寒冷地で役立っている。枝はトゲが多いので皮の手袋をはめての作業がおすすめです。ビタミンCを多く含む大きなローズヒップは果肉も厚く、食用、薬用と利用されてきました。

・エリドゥ・バビロン 

白色やピンクの花弁の中心には赤いブロッチが入り目を引きます。中近東で年に1回のみ花を咲かせる「ロサ・ぺルシカ」を祖先にもつバラです。メソポタミアの古代都市バビロンの名がついています。

・デンティ・ベス

落ちつきのあるピンクの花弁に赤紫色の花芯が特徴です。優しい雰囲気を感じます。1輪から数輪の房咲きとなり、次々と咲きます。枝はハイブリッド・ティー系の中ではほっそりとした印象ですが、半直立性の株立ちで、扱いやすい品種です。作出者のアーチャーが婚約者に捧げたバラだそうです。

・メグ(丸弁平咲き)

花弁の枚数を増やしたデンティ・ベスの姿を思い浮かべるバラです。アプリコット色の花弁に赤い花芯が映えます。大輪花で、花がらを残すと秋には大きな実を楽しむこともできます。とても強健なので、初心者にも育てやすい品種です。

・ムタビリス

咲き始めはアプリコット色をしており、徐々に赤みが増し、黄色が抜け最後は濃いピンク色になるので多彩な花色が見られ楽しめます。枝は細く、半横張り性で、5月ごろから秋の終わりごろまで咲き続けます。1890年に発見され、発見当時は「ティポ・イデアーレ」と呼ばれていたそうです。その後スイスの植物学者アンリ・コレヴォンに贈られ、1934年に今は使われていませんが、「ロサ・ムタビリス・コレヴォン」という学名がつけられたそうです。

・コンプリカータ

ガリカ系のオールド・ローズです。ピンク色の花弁で、花の直径8.5㎝ほどと大きめの一重咲きです。伸長力旺盛で、トゲが少なく扱いやすいですが、黒星病に注意が必要です。花がらを残すことで、秋にオレンジ色のローズヒップも楽しめます。

・キュー・ガーデン

花の直径6㎝ほどの花が集まりまとまって咲く姿はアジサイのようです。 アプリコット色の蕾から、白色の一重の花を繰り返し咲かせます。強健種で、トゲがほとんどありません。イギリスにあるロンドン南西部のキューにある王立植物園の名前からつけられました。

・アンリ・マルタン(平咲き)

花つきがよく、明るく鮮やかな濃赤紫色は、徐々に退色していきます。耐病性、耐寒性に優れ、半横張り性で生育盛んな強健種です。アーチやトレリスに向いています。別名「ヘンリーマーチン」

・アンナ・オリビエ

やさしさを感じる淡いあんず色の花弁をしています。少し下を向いて咲き、 トゲが少なく、株のまとまりがよく、鉢栽培にぴったりです。

・バレリーナ

愛らしいピンクの花に中心が白色をした花です。花の直径2.5㎝ほどの小輪花で、株一面の花を咲かせます。花もちがよく、強健で育てやすいですが、ハダニに注意が必要です。

・モーツァルト

バレリーナに似た花姿をしていますが、濃いローズピンクから中心に向かい白色をしています。半つる性で、トゲが多く、花を咲かせている期間が長く、7月頃まで少しずつ開花します。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはオーストリアの音楽家ですが、音楽にちなんだ名前をもつバラに、イギリスのチェロ奏者の名前の「ジャクリーヌ・デュプレ」、オペラ歌手の「マリア・カラス」、イギリスの作曲家「ベンジャミン・ブリテン」などあるので、まだまだ探したらありそうですね。

・ムーンライト(平咲き)

咲き始めは月の光を意味する名前のような可愛らしいクリーム黄色をしていますが、咲き進むと白色に変わります。返り咲き性で、小輪花が大房房で咲きます。

・エヴァ

ハイブリッド・ムスクでローズレッドの花弁に黄色い雄しべが鮮やかに映えたバラです。返り咲き性で、秋には実も楽しめます。ハイブリッド・ティーには名前が「エヴァ・ドゥ・グロゾブレ」というオープンカップ咲きのバラもあります。

・フランシス・E・レスター

白色に花びらの先は淡いピンクがかった一重咲きです。枝は伸長両区が旺盛で、株を覆うように、数輪の房になり咲く多花性です。秋には赤い実が美しく魅力的です。

・モーニング・ミスト

大輪一重咲きのサーモンピンクの花は、四季咲き性で繰り返し良く咲きます。耐病性にすぐれており、秋にはオレンジ色のローズヒップを楽しむことができます。

・カクテル

大変目立つ赤い花弁に中央が黄色い一重咲きのバラです。黄色い花芯は翌日には白くなります。花つきがよく、枝は細く柔軟ですので誘引しやすく、耐病性にすぐれています。

・ドルトムント

カクテルと花姿が似ているバラです。スカーレットレッドの花弁に中心は黄色から白色に変化します。花もちがよく、返り咲き性で、春以降花がらを切ると返り咲きます。耐病性、耐寒性に優れており、花がらを残すことで実をたくさんつけます。

・ウェディング・デイ

花弁はクリーム黄色から白色に変化します。開花までに数年かかりますが、 可愛らしいバラが開花した時は幸福を感じると思います。結婚式の日を意味する名前のバラですので、結婚式当日にサプライズでプレゼント・・・なんて素敵ですね。

・ピンク・サクリーナ

桜のような見た目をした柔らかい桜色の花弁が可憐です。退色後散ってしまいますが、その後次々と新しく開花します。乾燥と病気に強い品種です。

・フラウ・ホレ

四季咲き性で、小さな純白の花が株一面に咲き溢れます。グリム童話にFrauHolle(ホレおばさん)という物語があります。物語の中では主人公の女の子が羽毛を飛ばす場面があり、このバラの花弁が羽毛を想像させてくれます。

・ペルニアル・ブラッシュ(平咲き)

白色から淡いピンク色の花弁をしており、大房で咲きます。花の直径2.5㎝ほどの小輪花で、四季咲き性が強く、次々に開花します。耐厚性、耐寒性、耐病性に優れています。枝はやや細く柔らかいので誘引しやすいです。

・キュー・ランブラー

ピンク色の花弁で中央部分が白い一重咲きの小さな花を咲かせます。円錐形にたくさんの花をつけるので満開時は非常に華々しいです。大きめのトゲがあり、ハダニとうどんこ病に注意が必要です。

・アメリカン・ピラー

濃いローズピンクの花弁は大きな房咲きで開花します。硬いトゲに注意が必要ですが、強健で枝がよく伸びますので、フェンスや壁面に好ましいです。名前の通り、アメリカで作出されました。

・ヒアワサ(ハイアワサ)

「勝鬨(かちどき)」の和名をもつ、ローズピンクの一重咲きの花を咲かせます。耐寒性、耐暑性に優れており、初心者にも育てやすい品種です。どんな植物とも相性のいいシンプルな姿が特徴です。ハイアワサとは16世紀のモホーク族のインディアンの男性戦士を意味するそうです。

・サニーサイド・ホワイト

洗練された一重の白色の花弁に黄色い雄しべが際立つつるバラです。花つきがよく、蘭ブラーローズの中では珍しい返り咲き性です。細くしなやかな枝で、アーチや低いフェンスなどに利用できます。

・ブルー・ランブラー

すみれ色の小輪花は房咲きになり、株を埋め尽くすほどいっぱいに咲きます。トゲが少なく、半横張り性で、フェンスや壁面、窓回りなどに誘引することができます。

・淡雪

日本作出の清純な白い花は美しいの一言がよく合います。花つきがよく、秋の終わり頃までよく返り咲きます。「美しい花には棘がある」ということわざがあるように、トゲは鋭くとても多いです。

・アイリッシュ・エレガンス

ハイブリッド・ティー種の中では珍しい一重咲きです。薄いサーモンピンクの花弁で、花つきがよく、房咲きになることもあるそうです。

・ホワイト・ウィングス

四季咲き性で、一重の5枚の白い花弁が美しく房咲きで咲きます。じっくり見ていると花弁が白い翼に見えてきます。

・フェアリー・ウィングス

花の名前は小さな白い花びらの印象からつけられました。大房咲きで、次々と開花し、満開時は株を覆うほどにもなります。

・ヴェスヴィアス

濃い赤色の一重咲きで、数輪の房咲きとなり、上品さを感じます。イタリアのカンパニア州にヴェスヴィアス山という火山がありますが、火山のマグマのような赤い色をイメージしてつけられたのかなと想像しました。

・ミセス・オークリー・フィッシャー

ハイブリッド・ティー種はピンク色が多いですが、優しい黄色の一重咲きです。樹形は半横張り性で、花壇や鉢植えでの栽培に適しています。赤みを帯びた細枝が特徴的です。

・天の川

夜空に輝く星をイメージするような形と鮮やかな黄色い花弁の一重咲きです。咲き進むとやや白色になります。樹高50㎝ほどで、樹形は強い横張性です。

・ブリタニア

遠くからでも目立つ濃いローズに中央部分が白色をしています。株は大型でよくまとまり、病気や寒さに強く育てやすい品種です。小輪咲きが特徴のポリアンサローズとしては大きな花を咲かせます。

・ななこばら

白色にピンクのぼかしが入る花弁で株一面を小輪花で覆って咲きます。四季咲き性で、江戸時代からの栽培記録がある品種です。

・ミニ・ライツ

黄色の一重の花をいっぱいにさかせるミニチュアローズです。樹形は横張り性でトゲが多く、扱いはやや大変ですが、花壇や鉢植えでの栽培に適しています。

・ホワイト・スプレー

可憐な白色をした一重の花が枝一面に咲きます。「ピンク・スプレー」より大型に生長します。つる性のミニチュアローズで、樹勢が強く耐寒性もあります。

・ピンク・スプレー

ピンクに中心部分につれて白くなる可愛らしい花をいっぱいにして咲きます。花つき、花もちがよく、樹勢が強く耐病性もあるため育てやすい品種です。「のぞみ」と合わせて栽培するとまた一段と華やかになます。

・のぞみ

透き通った淡いピンクの花は上品さを感じます。房咲きで、和風の庭でも他の花と調和してまとまります。

・安雲野(あずみの)

明るいローズピンクに中心は白色の小輪花が大房となって咲きます。樹勢が旺盛で伸長力のある小型のつるバラで、フェンスやオベリスクやポールへの栽培に適しています。花つきもよく、耐病性にすぐれています。

・シャルラッハグルト

別名「スカーレット・ファイヤー」と呼ばれており、燃えるような深紅の花が枝いっぱいに咲きます。花弁1枚1枚も大きく存在感があります。秋は直径2㎝ほどの大きなローズヒップも魅力的です。

・サラマンダー

花の名前は火の精霊に因んでおり、燃える炎のような鮮やかな赤い花弁が美しいです。四季咲き性が強く、数輪から大房咲きで開花します。花つき、花もちがよく、枝は細めで様々な仕立てが可能です。

・なるみかた

鮮やかな濃いピンクに中心部分は白色をした一重咲きです。花の直径2.5㎝ほどの小輪花で、花つきがとてもよいです。トゲがほとんどなく、秋には丸い実をたくさんつけます。

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